オススメ

トラと魚と野菜と

トラが好きです
時々、海で釣りをします
家庭菜園で野菜作りを楽しんでいます

  • 2013.11.15 Friday

抱っこ(応用行動分析から)

2013.11.15
抱っこ(応用行動分析の事例をもう一つ)

駅のホームで、ちいさな子どもが大声で泣き叫びながら座り込んでいる。母親らしき人は少し離れた場所で、黙ったまま子どもを見つめ、声をかけようともしない。
電車の中で、ちいさな子どもが大声で泣き叫びながら座り込んでいる。母親らしき人は、やはり何もしないで見ているだけ。
こんな時、周りの人はどう思うでしょうか?


「発達障がいの子ども お金のこと、親が亡くなった後のこと」(星雲社)の著者の平野さんはこう書いています。

平野さんのお子さんは自閉症児で、「抱っこ!」の要求をずっとこだわり続け、最終は小さい声から次第に大きくなり、最後は泣き叫び+絶叫状態になったそうです。
そんな時、応用行動分析(ABA)では、その状態を一切無視(消去)し、泣き叫ぼうが何をしようが、お構いなしで絶対に抱っこはせず、手を引きずってでも目的地まで歩かせます。そして目的地まで歩けたらメチャクチャほめ、ご褒美を与えるのがポイントだ、と言っています。

つまり、絶叫状態で子どもの要求通り抱っこしてしまうと、「あ、歩きたくないときは、こうやって泣き叫べば抱っこしてくれるんだ」と思い、結果的には「泣き叫び行動」を強化してしまう、と。

泣き叫びを無視し、泣いても要求は通らないこと、意味がないこと、を教え、指示通り歩けばご褒美がもらえるということを理解させ、そのこだわりを少しずつ消去してゆく、のだと。


「抱っこ」や「偏食」などの障がいをもつ子どもに対してこのABA的対応が必要であることはよくわかりました。


しかし、私たちの現実はどうでしょうか。前述のホームや電車の中で「抱っこ!」と泣き叫ぶ子どものそばで何もしないでいる親を見たら「そんなに泣かせて、何をしているのよ。親のくせに」と思ってしまいます。

発達障害の子どもは見ただけではわからない場合が多くあります。

わたしたちがホームや電車で見かけた子どもはそうしたこだわりをもつ自閉症児だったのでしょうか、母親はそうしたABA対応をしていたのでしょうか?
単に、無責任な親もいることを否定はできないな、と思いませんか。

Go to top of page